カナダ在住 現地の高校の字幕ワークショップで指導 修了生・藤田亮子さん インタビュー

JVTAの授業は現在、全面リモートで行っている。オンラインで教室と繋がれるため、受講生は全国各地だけでなく、世界各国で学ぶことが可能だ。カナダのバンクーバーに在住の修了生、藤田亮子さんもその一人。カナダで10年以上暮らし、現在は子育てをしながら映像翻訳者として活躍している。
◆コロナ禍を機にJVTAに入学
カナダのカレッジでホスピタリティを学び、ホテルに勤務していた藤田さんの転機はコロナ禍だった。パンデミックで世界が大きく変わる中で再度自分のやりたいことを見つめ直し、以前から興味のあった映像翻訳に挑戦しようと考えたという。リモート受講が可能だったことが夢の実現に繋がった。

「JVTAは、かなり前に翻訳関連の雑誌か何かで目にして興味はあったものの当時はまだ通学のみの形態で、『東京の学校だから通えない』と思った記憶があります。時を経てカナダへ移住し、今では全面リモートでの授業となり、海外にいる私でも受講できると知ったときは『これだ!』と思いました。海外在住者にとって、教室に通わなくても自宅にいながらリアルタイムで東京の授業を受けられることは魅力です。やむを得ず欠席することがあっても授業の録画を後日見られるサポートもあり、余すことなく学ぶことができました。日本や海外の様々な土地にいるクラスメートとは、リモート授業があってこその出会いです。コース修了後もオンラインでトライアルに向け勉強会ができる仲間がいたことが何よりも心の励みになりました。」(藤田亮子さん)
◆翻訳者の仕事には北米での生活を活かせる
総合コース・ⅠとⅡ、さらに実践コースと1年半の受講をすべてリモートで受講後、JVTAが修了生を対象に定期的に開催するオープントライアルに合格。OJTを経て、翻訳者としてデビューした藤田さんは、主にYouTube動画やビジネス関連の作品を手掛がけるほか、海外ドラマや映画のチェッカーも担当している。
「子どもがまだ1歳なので、まとまった作業時間がとれるのは子どもが寝静まった後ですが、こうして作業時間が自由に選べるのは翻訳者のメリットだと思います。作品にもよりますが、北米のドラマや映画は現代の社会問題について触れていることがよくあります。カナダにいると自然とアメリカのニュースにも敏感になってくるので、日々の暮らしで蓄積された情報は翻訳にも活かせていると思います。」(藤田さん)
◆カナダの高校で字幕ワークショップの講師を担当
昨今は、翻訳者のほかに講師を務める機会に恵まれ、さらなる活躍につながっている。2025年1月には、鹿児島県屋久島にある高校が毎年行うバンクーバー留学プログラムの一環として、JVTAが現地で英語字幕のワークショップを開催。藤田さんはこの授業で講師を務め、字幕翻訳について高校生に指導するという大役を果たした。この日は日本の留学生10名と現地の高校生23名が同じ教室に集うという新たな試みとなった。

「JVTAでバンクーバーでの映像翻訳のワークショップをする企画が上がり、現地に住む修了生としてお声がけしてくださったのが今回のきっかけです。字幕のルールや日本語と英語の違いは私自身もJVTAで学び、興味深いことでした。今回は講師として指導し、それが生徒さんたちも伝わったようでうれしかったです。このワークショップは日本とカナダの高校生が一緒にグループを作り、日本映画のワンシーンに英語字幕をつけるといった内容だったのですが、ユニークな訳を作ったグループもいて、高校生の発想の豊かさに感心しました。今後またこういう機会を頂けたら、生徒さんがさらに楽しく字幕を学べるよう、ブラッシュアップしていきたいと思います。」(藤田さん)
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JVTAでは海外の大学で日本語を学ぶ学生に日英映像翻訳を指導する「海外大学字幕翻訳プロジェクト(GUSP)を定期的に開催するなど、海外にも学びの場を広げている。リモート受講が定着した今、世界各国で学んだJVTAの受講生・修了生が、様々な国でプロの映像翻訳者として活躍するなか、現地で映像翻訳について指導するというニーズも高まることが期待される。今後、海外在住の受講生・修了生の新たなキャリアの一つになりそうだ。
JVTAでは小学校から大学まで様々な学校でも映像翻訳のスキルを指導している。

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