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【セミナーレポート】
「著作権」「肖像権」のロジックはおおよそ万国共通
まずは日本を知って世界を知る

【セミナーレポート】<br/>「著作権」「肖像権」のロジックはおおよそ万国共通<br/>まずは日本を知って世界を知る

2022年1月22日(土)に「世界を市場にするための知財(IP)戦略セミナー」の第二弾「世界水準の知財管理と法務」を開催した。知的財産を扱うビジネスにおいて、権利に関する知識は押さえておきたいところ。今回は、ディズニー、ソニー・ピクチャーズといったハリウッド・エンターテインメント企業で多くの事例を扱ってきた国際弁護士、柴田純一郎氏が講師として登壇。コンテンツを取り扱う上で、知っておくべき権利の種類や備えるべきポイントなどについて解説した。
 

冒頭は、本セミナーの開発者でファシリテーターでもある林美千代氏(ブランドプロミス合同会社代表)が「コンテンツビジネス」の現状や定義を説明した。(詳しくはDay1のレポートで紹介▶こちら
IPビジネス業界の人材として武器になるのが知財管理と法務の知識だと林氏も断言する。
 

近年、映画、絵画、音楽など五感を通じて楽しむ「コンテンツ」は、様々な広がりを見せている。以前は、そのほとんどがプロの制作によるものだったが、近年ではYouTubeやTikTokの普及で誰でも動画を作り、配信することができる。同時に、そこには国境が存在しないため、制作者の意図とは離れ、世界中へと拡散していく。そのため、海外に向けたコンテンツビジネスはますます展開しやすくなっている。語学が得意な人にとっては、自身のスキルを発揮する絶好のチャンスかもしれないが、柴田氏は語学力だけでは太刀打ちできないこともあると言う。
 

「海外取引でトラブルが起きた際、語学力がある人はどうにか乗り越えられると思いがちですが、実は逆に問題が大きくなるケースが多い。重要なのは語学力ではなく危機管理への対応力。自分の常識だけに捕らわれていると間違った判断に繋がります。権利に関する基礎知識を持っていれば、トラブルを回避することができ、万が一起きてしまっても正しく対応することができるのです」(柴田氏)
 

今回のテーマでもある「知的財産」には様々な種類の権利がある。特許権、著作権、商標権などがあるが、その中でも特におさえておきたいのが「商標権」と「著作権」だ。どれも基本制度としてはおおよそ世界共通のため、日本でのルールを知っているだけでも役立つという。
柴田氏は自らが持つ権利を守る、そして相手の権利を侵害しないという2つの側面から備えるべきポイントを解説した。
 

「商標とは商品・サービスのネーミング、ロゴ、ブランド表示などを指します。一般的な言葉をそのまま名称にすると、守ることが難しくなります。逆に、独特なネーミングすべてが守られるとも限りません。ネーミングを決める時には十分なリサーチを行い、ブランディングの妨げにならないものを選ぶことが重要です。その際は商標登録し、マークで保護することも忘れてはいけません」(柴田氏)
 

後半では契約における日本と海外の違いについて解説した。契約が失敗する原因の1つは、アプローチ方法の違いを知らないことにあると柴田氏は言う。
 

「法のロジックは、細かな違いがあっても、基本ロジックはおおよそ万国共通です。日本のビジネスにおける契約のアプローチは海外とは異なります。日本流は不測の事態に対応できる仕組みにはなっていません。それを知らずに進めてしまうことで、トラブルが生じるのです。不測の事態に備え、ビジネスプランをしっかりと立てて望んでください。そして、問題が起きた時は、すぐに専門家に相談できる体制を整えておくことも大切です」(柴田氏)
 

最後は、林氏と柴田氏でディスカッションと質疑応答を行った。参加者からの質問はレクチャーにもあったネーミングに関することから情報漏洩に関する質問にまで広がった。
 

「法律」と聞くと抵抗を感じかもしれないが、柴田氏が分かりやすい事例を示したことで、参加者の理解も深まった。知的財産を取り扱う際、自分の権利を守るばかりではなく、相手の権利を踏まないための準備も必要だ。基本的な知識だけでも備えておけば、どのような事態に陥っても正しい対応をすることができる。参加者には、このセミナーで学んだことを実践でも生かし、備えてほしい。
 

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