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【スタッフコラム】Fizzy!!!!! JUICE #47ドイツ語、英語、日本語…私の語学遍歴●麻野祥子(翻訳事業推進部)

【スタッフコラム】Fizzy!!!!! JUICE #47ドイツ語、英語、日本語…私の語学遍歴●麻野祥子(翻訳事業推進部)

私は幼少期をドイツ、中学・高校時代をニュージーランド、大学時代を日本で過ごした。子供のころから日常的に複数の言語に触れて育ったので、自然に語学に興味を持つようになった。

「帰国子女」と聞くと、英語がペラペラで感覚や立ち居振る舞いが日本人離れしているような人を想像するかもしれない。しかし、住んでいた国や年数、何歳の時に住んでいたか、どんな学校に通っていたかなど、様々な要素があり、人によって全く異なる体験をしている。私は3歳の時に家族とドイツに引っ越したのだが、現地校ではなく授業が全て英語で行われる学校に通った。しかしクラスメートはほとんどドイツ人だったため、授業中は英語、友達とはドイツ語、家では日本語で話していた。もちろん、実際はそれほどきれいに使い分けられていたわけではない。学校から帰って、その日にあったことや勉強したことを親に話す時は、英語で話すほうが楽だったため、日本語にちょこちょこ英語が混ざってしまうことがあった。兄と家でケンカするときは、日本語や英語の悪い言葉を知らなかったため、ドイツ語で罵り合っていた。また、家であった出来事を友達に話す時には、日本語の表現しか思いつかず言葉に詰まっていた記憶もある。

そしてドイツから日本に帰国して帰国子女の多い学校に入学すると、周りの英語力についていけず、自分の英語力がコンプレックスになっていった。アメリカやイギリスに住んでいたクラスメートは英語がペラペラで日ごろから英語で会話をしていたのだが、私はそこに入っていけず日本語で受け答えをしていた。友達と英語で話すことに慣れていなかったため、理解はできても日常的なフレーズがパッと出てこなかったのだ。

その後、再びニュージーランドに引っ越した時には、また違う壁にぶつかった。それはニュージーランドのアクセントや方言だ。ニュージーランドのアクセントを聞いたことがない方は、ぜひ一度検索して聞いてみてほしい。ニュージーランドの現地校に転入して間もない頃、英語の授業でスペリングテストがあり、先生が読み上げた言葉を紙に書かなければいけなかったのだが、eとiを見事にすべて書き間違えた。他にも、アメリカ英語にはない表現などに戸惑ったのを覚えている。

高校卒業後、大学進学のために帰国すると、今度は日本語の表現が分からなすぎて驚いた。当時の大学生に特有の表現だったのかもしれないが、「ワンチャン」や「楽単」「エグい授業」など、聞いたことがないフレーズが飛び交っており、数週間は話についていくのに苦労した。

最近では、ドイツ語をもう一度勉強しようと、ドイツ語のポッドキャストなどを聞いている。しかし自分の中のドイツ語が小学生時代に聞いていた表現しかないため、やはり大人同士の会話や最近のスラングを聞き取ることはなかなか難しい。

JVTAで映像翻訳の学習を開始される方の中には、様々なバックグラウンドの方がいると思う。日本で英語を勉強してきた人、留学して英語力を磨いた人、今海外に暮らしている人、子供時代に海外に住んでいた人、または日本語をずっと勉強してきた外国の人など…。それぞれ英語や日本語や多言語のレベルは違うかもしれない。人・地域・分野などによっても使われる表現は違うし、特にネットスラングなどは時代とともに急速に変化していく。私もなかなか成長を実感できなかったり、周りと比べてしまったりすることもあるが、それを自分の伸びしろととらえて、これからも楽しく語学に向き合っていきたいと思う。

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Written by 麻野祥子

あさの・しょうこ●日本映像翻訳アカデミー・翻訳事業推進部スタッフ。日英映像翻訳科修了生。

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「Fizzy!!!!! JUICE」は月に1回、SNSで発信される、“言葉のプロ”を目指す人のための読み物。JVTAスタッフによる、示唆に富んだ内容が魅力です。一つひとつの泡は小さいけど、たくさん集まったらパンチの効いた飲み物に。Fizzy! なJUICEを召し上がれ!
 
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