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【スタッフコラム】Fizzy!!!!! JUICE #50 肉を焼く!●塩崎邦宏(管理部門スタッフ)

【スタッフコラム】Fizzy!!!!! JUICE #50 肉を焼く!●塩崎邦宏(管理部門スタッフ)

日々、一生懸命働いたり、遊びに行ったりしていると料理をするのはなかなか大変です。そんな中、家族のため、自分のため、ひょっとしたら困っている人たちに料理を作っている人たちがいると思います。そのような方々には頭が下がるばかりです。

私もそんなに料理をするほうではなかったのですが、数年前から時間を作って料理をするようになりました。特別なきっかけがあったわけではありませんが、同じ料理を作るにしても、地域によって、人によってレシピが違ったり、味付けが変わったりと奥の深さを感じるばかりです。和食、洋食、中華など料理本やインターネットなどをみながら挑戦をしてきましたが、どうしてもいつも思ったほどおいしくできない料理がありました。それが「肉を焼く」でした。

特にハンバーグが思ったようにおいしくならない。いろいろなレシピを参考に肉の種類、まぜる肉や玉ねぎの割合、隠し味と作るたびに変えて作ってみましたがどうも満足いかない。そこで出会ったのが、「温度」でした。とあるサイトでロジックと科学の角度からハンバーグについて書かれているものを読んで開眼するような気持になりました。ここからは私が観た動画の受け売りになりますが、私がハッとしたハンバーグを焼く理屈をご紹介します。

まず味覚は十人十色なので、今回の私が言うおいしいハンバーグの定義は「外はおいしい焼き色が付き、中はほんわりジューシーで肉汁がたっぷり」とします。肉というのは60℃を超えるとタンパク質が縮んでその時に水分(肉汁)が流れ出し旨みが外に出てしまいます。ということは60℃を超えないように焼けば良いということです。ただ、そうしてしまうと別の問題が出てきます。表面に焼き色がつくには肉の温度が150℃を超えなくてはいけません。この2つの温度の矛盾を解決しなくてはおいしいハンバーグは作れないのです。

そこで登場するのが、フライパンとオーブンを使うことです。「それは面倒だ」、「洗い物が増える」という感想が出てくるのはその通りです。日々、料理を作っている人にとってはいかに時短でおいしいものを作るのかも一つの大事な要素だと思います。それはわかりますが今回、そこは無視させてください。「料理はひと手間が大事」という気持ちでフライパンとオーブンの二刀流でいきます。

フライパンとオーブンを使うことによって工程を2つに分けます。まずフライパンで150℃以上の温度で短時間に表面と側面に焼き色を付けます。必要以上の加熱をしないように気をつけます。この状態だと中はまだナマです。次の工程に移ります。オーブンを200℃に予熱して外側からじっくりと中心にまで火を入れます。中心が60℃を超えないようにするには200℃に予熱したオーブンで20分~30分焼くことです(加熱時間は微妙に調整が必要です)。

この方法で焼くとびっくりすることがおきました。比較的に薄い状態で焼き色をつけてオーブンに入れたのですが、出来上がるころにはハンバーグがパンパンに膨れていました。火の通りを確認するために竹串をさしたら、肉汁があふれ出てきました。このロジックや考え方で自分が思っていたハンバーグに近づいた気がします。あとはもう一度原点に戻り、肉の種類や割合などまだまだ飽くなき挑戦を続けたいと思います。

ここまでたどり着くのに何度も作って、調べ直し、一度読んだ本などを見直しました。そうすると新しく気づくことがありました。同じ本でも読んだ時のタイミングや自分の知識量に比例して得るものが変わるということです。他の視点で見たり新しいことを学んだりすれば、より理想のハンバーグに近づくと思います。

新たな角度や手法で挑戦するというのは、他の分野にも応用できるでしょう。例えば映像翻訳でも今だから気づくこと、今だから別の角度で見ることができるなど発見があると思います。
 
ここで少し紹介になりますが、2024年10月期から『コマ単位受講制度』という制度が始まります。1996年の開校以来、映像翻訳者を目指す皆さんを応援してきましたが、私が2003年に修了した時と比べて同じコースでもだいぶ講義内容が変わってきています。変わっていくのは当たり前のことですが、ふと、「自分が受講していた時にこのクラスがあったらよかったのに」と思うことがあります。私と同じような思いを持っている皆さま、この制度では自分が修了したコースをもう一度、受講することができます。過去に受けたことがある授業でも大丈夫ですし、新しくコースの中に加わった当時はなかった授業でも受講できます。詳しくはHPをご確認いただけると嬉しいです。

宣伝になってしまいましたが、私がハンバーグを作るときにおこなった新しく学ぶことと、学んだことのあることを改めて学び直すこと。それにより新しい発見や知識がつき、より良い結果に結びつく。それは料理でも映像翻訳でも同じだと思います。ぜひ、料理や映像翻訳だけでなくても、何か自分がやっていることを再度、学び直してみてください。そこには新しい発見と楽しく成果のあることが待っています。


コマ単位受講制度の詳細については▶こちら






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Written by 塩崎邦宏

しおさき・くにひろ●日本映像翻訳アカデミー・管理部門。英日映像翻訳科修了生。

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「Fizzy!!!!! JUICE」は月に1回、SNSで発信される、“言葉のプロ”を目指す人のための読み物。JVTAスタッフによる、示唆に富んだ内容が魅力です。一つひとつの泡は小さいけど、たくさん集まったらパンチの効いた飲み物に。Fizzy! なJUICEを召し上がれ!

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