【制作者や観客に字幕が届く瞬間を体感できる】映画祭へ行こう!

皆さんは映画祭に参加したことがあるだろうか?
映画祭といえば、世界三大映画祭(カンヌ国際映画祭、ベルリン国際映画祭、ヴェネツィア国際映画祭)が日本でも大きく報道されるが、日本国内でも毎年多くの映画祭が開催されている。米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」やLGBTQに関する作品を集めた「レインボー・リール東京 ~東京国際レズビアン&ゲイ映画祭~」、世界の難民問題にフォーカスした「難民映画祭」など、そのラインナップは多彩だ。
短期間で世界の映画が一斉に上映される映画祭では字幕が必須となる。JVTAも上記の映画祭をはじめ、毎年いくつもの映画祭を字幕制作でサポートしており、JVTAで学んだ多くの映像翻訳者が活躍している。

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映像翻訳者として豊富な経験を重ね、JVTAで講師も務める屋鋪桂子さんは、映画祭は映像翻訳者としての原点や初心を思い出せる貴重な場だと話す。屋鋪さんは今年も4月開催のダマー国際映画祭の上映作品10作のチェックを担当し、会場に足を運んだばかりだ。
「私がデビューしたての頃、『ショートショート フィルムフェスティバル & アジア』で短編映画を担当させていただく機会がありました。友達を大勢引き連れて会場入りし、誇らしげに自慢したりして…。振り返れば小っ恥ずかしい行動ですが、今も鮮明に残る楽しい思い出です。自分が作った字幕をスクリーン上で観るのは、他と比べようのないステキな体験です。映画祭のお仕事を担当された方は、ぜひ会場まで足を運んでみてください。一生の思い出になることは間違いありませんから。」(屋鋪桂子さん)
2025年のダマー国際映画祭の上映作品『A Summer’s End Poem』の日本語字幕を担当した修了生の河井敦さんは今年、初めて映画祭に参加した。自分の作った字幕がどのように、どんな人に届いているのか。それを改めて知ることができた貴重な体験となった。

「自分の作った字幕が大きなスクリーンに映っていて、それを他の観客が暗い劇場の中で観ている…。映画好き・映画館好き・字幕好きにとっては忘れられない体験となりました。
上映中は、あの表現で伝わった?あの字数で読み切れた?あのフォントのほうが合うのになあ…。あの人、今あくびした?と気が気じゃなかったです。でもストーリーの要所要所で笑いやどよめきが起こると、そんな心配は、『よかった、伝わってた~』という安堵と達成感に変わりました。」(河井敦さん)
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映像翻訳者が映画やドラマの制作者と会える機会は極めて稀だ。映画祭には監督や出演者、プロデューサーなど多くの映画関係者が集う。作品上映後にトークショーがあったり、なかにはロビーで関係者と話したりできることもある。
2024年の難民映画祭のオープニングでは、JVTAが字幕を手がけた『ザ・ウォーク ~少女アマル、8000キロの旅~』が上映された。会場にはこの作品の字幕チームでリーダーを務めた翻訳者の児山亜美さんが駆け付け、トークショーに登壇したタマラ・コテフスカ監督 とジャン・ダカール撮影監督と対面する機会に恵まれた。

「お話できたのは少しの時間でしたが、目を見て感謝の言葉を述べていただき、翻訳者として身に余る光栄でした。トークイベントでは、力強い言葉で『希望はある』とおっしゃられた姿が印象に残っています。映画の力を心の底から信じる監督の思いを生で聞き、翻訳者である私もとても刺激を受けました。」(児山亜美さん)
自分が字幕を担当した作品の受賞シーンに立ち会えた人もいる。2017年の「レインボー・リール東京~東京国際レズビアン&ゲイ映画祭~」では、修了生の磯貝さおりさんが英語字幕を担当した『カランコエの花』(中川駿監督)が見事グランプリを獲得。この作品は、現在放送中のNHK朝の連続テレビ小説『あんぱん』で主役を務める今田美桜さんがヒロインを演じた名作だ。翻訳者の磯貝さんは会場で受賞の瞬間を同作の関係者の皆さんと共にわかちあい、記念撮影にも参加することができた。

「お写真の撮影に私も入れていただき、監督が『翻訳をしてくださった方で、スタッフです』 と出演者の皆さんにご紹介くださったときは、本当に嬉しかったです。私が『(優勝されて)少し、ほっとしました。訳させていただいて、有難うございました』と申し上げたところ、「いやいや、“少し”ではないですよ!」とのお言葉。翻訳者としてこうした場に立ち会えて本当に光栄です。』(磯貝さおりさん)
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これから映画祭が目白押しの季節がやってくる。今まさに映画祭の上映作品の字幕を作っている人もいるかもしれない。映像翻訳者ならぜひ映画祭の会場に足を運び、スクリーンで映画を味わってほしい。そこには新たな世界が広がり、思いもしなかった出会いが待っているに違いない。

◆【2025年4月期は4月第3週より随時開講!】
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