【修了生に聞きました】字幕を登場人物の表情や声のトーンに近づけることが大切
「字幕翻訳者になりたい」「映画の吹き替え版制作に関わりたい」…。映像翻訳の世界に興味を持った時、選択肢となる学習方法は様々だ。
JVTAの修了生は、なぜJVTAで学ぶことに決めたのか?実際に学んでみてどうだったか?映像翻訳者として字幕翻訳や吹き替え翻訳の世界で活躍するJVTA修了生に、生の声を聞いた。
回答者:本郷みほさん
日英映像翻訳実践コースを2019年修了。第71回ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞した濱口竜介監督の『偶然と想像』の第1話『魔法(よりもっと不確か)』の英語字幕を担当。また子供向けアニメシリーズの一部や、フジテレビの昼ドラシリーズの一部なども担当している。
JVTAで学んだのは「映像とシンクロする字幕」を作るスキル
JVTAは色々な講師の方々がいらしたので、違った意見やアプローチ方法を学べました。自分の作った訳が映像と一緒に出てくるのを見て、何が上手くいって、何が良くなかったのかを指摘していただくのが楽しかったです。
JVTAで学んだ内容で今も役立っていることのひとつは、ハコの長さと訳の内容の関係を学んだことです。人が数秒内で読める量に収めるためにどうやって濃縮するか、どこを割愛するかを決めるスキルが私にとっては一番の学びでした。動画の視覚的・音声的な要素にシンクロした訳を作ることが、映像翻訳で大切だと思います。特に映画祭に出展予定のある映画などでは、英語字幕を登場人物の表情、声のトーンやリズムにいかに近づけるかを念頭に置いています。
登場人物の気持ちを読み取るのが難しい日本語コンテンツ
日本の映像コンテンツを英語に翻訳する際に一番工夫が必要だと思う点は、ダジャレやユーモアの翻訳です。社会的、歴史的な背景までを説明する余裕がない時、翻訳の判断を難しく感じます。また日本語は主語や目的語を省く言語なので、ドラマの会話で登場人物がなぜそのセリフを言っているのか理解できないことが少なからずあります。そのような時はJVTAの映像翻訳ディレクターに聞いて解決するようにしています。
世界的に人気の高い日本アニメの翻訳に関わりたい
日本の映像コンテンツとしては、やはりアニメの人気が高いので、今後アニメのお仕事があればやりたいと思っています。日本のアニメはストーリーがおもしろく、内容を理解するために歴史やアーキタイプに関する知識も要求されるほど深いものが多いので 海外の視聴者もそれに惹かれるのだと思います。だからこそ翻訳も楽しいのだと感じます。
日本語には省略が多い。また欧米に比べると、日本人は表情や動作から感情が読み取りづらい傾向にある。繊細な感情の動きを海外の視聴者に伝えるために、英語字幕はとても重要な役割を果たしているのだ。本郷さんはその重要性を理解し、映像とシンクロする字幕の作成を大切にしている。JVTAで日英映像翻訳を学習している、もしくはこれから学習する人々は、本郷さんの字幕との向き合い方をぜひ手本としてほしい。
◆英日映像翻訳修了生のインタビュー
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