【イベントレポート】日露の学生がリモート画面を通じて発信!J-anime meeting in Russia完成披露試写会&パネルディスカッション
「J-anime meeting in Russia」はJVTA主催の日露地域交流年認定事業。国立大学法人東京外国語大学共催のイベントです。
【イベント特設サイト(https://j-anime-meeting.com/ja/)より】
5月24日(日)、日露の50人超のインターン生が中心となり中間発表を兼ねた完全リモートによる「完成披露試写会&パネルディスカッション」が開催されました。
日露の教育、ビジネス関係者やメディア事業に関わる方々など限られた方々に参加していただくイベントですが、ロシアの自宅にいる学生たちの日本語による発表や、日露の学生が協力して作成したロシア語字幕がリモート画面を通じて活き活きと発信されました。ここではその様子をご紹介します!
日本とロシア両国の学生が
主体の上映プロジェクト
まずはプロジェクトチーム・司会のマリアからJ-anime meeting in Russiaやこの上映会の説明を。J-anime meeting in Russiaとは、日本とロシアの大学で学ぶインターンが主体となって映像翻訳から運営、PRまで手掛ける上映プロジェクト。日本の傑作アニメにロシア語の字幕を付けて、2020年11月にモスクワの会場で上映します。今回の上映会はその中間発表です。主要なメンバーの一人でもあるマリアは「11月の本番に向けて、現在の成果を伝えられることを嬉しく思います」と挨拶を終え、さっそくリモート上映がスタートしました。
【上映開始前は日露字幕翻訳にあたった学生たちが作品の紹介を行う】
どうやったらロシアの視聴者に
うまく伝わるのか?
リモート上映会での上映作品は2本です。1作品目は、古語など独特な日本語が飛び交う少女漫画が原作のアニメ。2作品目は、数々の妖怪が登場する古典的名作です。翻訳を手掛けた日露の学生たちは「学んだことの無いような日本語が沢山出るので翻訳に苦労しました。でも、チームで話し合いながら解決しました」「登場人物の気持ちがどうやったらロシアの視聴者にうまく伝わるのか? 悩みながら訳しました」「時代背景を考えることが大切。セリフが少ない部分でも楽はできません」など、映像翻訳の苦労と醍醐味を語りました。
日本の学生はロシア語で
ロシアの学生は日本語で
上映後は、日露両学生たちによる「インターンシップ成果発表」と「日露学⽣×ビジネスパーソンによるパネルディスカッション」です。成果発表では、プロジェクトを通じてどんなことを学んだのか、日本の大学生はロシア語で、ロシアの大学生は日本語で、自分の視点で語りました。チームワークの大切さや、国境や時差をこえてプロジェクトを進めるために工夫したこと、作品を上映するためにさまざまな製作者と交渉したこと――。学生たちの瑞々しいプレゼンテーションがリモート画面を通して、イベント参加者たちの心を掴みます。パネルディスカッションには、VIPO 特定非営利活動法人映像産業振興機構統括部⻑ 兼 グローバル事業推進部⻑・森下美香氏と、露ITスタートアップの日本進出支援、日系企業とのコラボレーション事業の創出を支援するコンサルティング会社を立ち上げた牧野寛氏が登壇。両国学生たちの取り組みや発表を絶賛した上で、今の体験が必ず人生の糧になること、リモート化した社会で求められる人材像について語りました。
【Q&Aセッションでは「プロジェクトを経て、日本の学生はロシア人と、ロシアの学生は日本人と、将来一緒に働きたいと思いますか?」と質問が。互いに「ぜひ働きたい!」と声をそろえました】
<日露学⽣×ビジネスパーソンによるパネルディスカッション>
【「リモート化が加速した社会では、ますますエレベーター・ピッチのような端的に分かりやすく伝えるスキルが求められるだろう」と両氏】
成果発表とパネルディスカッションを終えた学生たちのコメント:
貴重な経験を今後の活動や職業選択に生かしていきたい ――小林菜月さん(東京外国語大学)
成果発表では、ロシア語で発表したので緊張しましたが、どのような思いで仕事をし、何を学んだかを沢山の方に知ってもらえたので嬉しかったです。また、パネルディスカッションでは、日露ビジネスで活躍されているお二人と意見交換ができ、貴重な経験になりました。ぜひ、お二人から得られた意見を今後の活動や職業選択に生かしていきたいと思います。
未曽有の危機に際しても、私たちの精力的な活動を示せた ――香春汐里さん(東京外国語大学)
一緒にプロジェクトに携わっている仲間が考えていること、グローバルに活躍されている方のお話など、いろいろなことが聞けてとても有意義でした。たくさん質問をいただいた時、多くの人がこのイベントを見ているのだなと実感しました。コロナウイルス感染症という未曽有の危機に際しても、私たちが精力的に活動していることが示せたと思います。
明るい未来が目に浮かびます ――Aleksandra Priimakさん(上智大学院)
オフラインに全く負けない、とてもエキサイティングなイベントでした!
特に、頑張ってロシア語で発表してくれた日本の学生たちと、日本語で発表しくれたロシアの学生たちに感謝しています。このような異文化コミュニケーションを見ていると、いつか言語や民族性の違い、時差などに関わらず全ての国の間に相互理解が可能になる明るい未来が目に浮かびます。
暖かい雰囲気で、居心地が良かった ――Alisa Shipilovaさん(モスクワ市立大学)
少し緊張しましたが、しっかりと話し合うことができました。第一線のビジネスパーソンの森下さんと牧野さんの意見を聞くことがとても面白かったし、日本人の学生と、めったに触れないテーマについて話せて嬉しいです。イベントはJVTAのおかげで全体的な雰囲気は暖かくて、居心地が良かったです。
両国の学生が一丸となって創った時間 ――Tatiana Dobrydenさん(モスクワ市立大学)
皆が一丸となって作ったイベント。とても良かったです。私は自分が翻訳したアニメ作品の話と、チーム内で使ったICTについてお話しました。Q&Aでどんな質問が来るか心配でしたが乗り切ることができて良かったです。
11月は思い切りやりたい! ――Egor Chernousovさん(ロシア高等経済学院)
本当は5月に開催予定だったJ-anime meeting in Russia。コロナ禍の影響で11月開催となりましたが、それまでの中間発表として、素晴らしいイベントを開催できたと思います。これをリハーサルとして、11月の“祭り”は思い切りやりたいと思います!
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困難な状況でも、映像翻訳を学び、伝えることをやめない学生たち。大きく変化する世界の中で、彼らのような存在が新しい未来を創っていくのかもしれません。
●「J-Anime Meeting in Russia」特設サイト
https://j-anime-meeting.com/ja/
●東京外国語大学「日露人的交流の飛躍的拡大に貢献するTUFS日露ビジネス人材育成プログラム」Webサイトに、本イベントのお知らせが掲載されました!https://tufs-tenkai2rus-jp.com