News
NEWS
voiceinTYO

【字幕メガネで最新映画を鑑賞】 利用者から届いたリアルな声を紹介

【字幕メガネで最新映画を鑑賞】 利用者から届いたリアルな声を紹介

映画館でも、字幕メガネをかければ最新作をバリアフリー字幕付きで楽しめることをご存じだろうか?
  

バリアフリー字幕とは、「聞こえない、聞こえにくい」人のために、日本語の作品に日本語の字幕をつけたもの。外国映画の翻訳字幕とは違い、話者名や音の情報なども文字で表示されるのが特徴だ。かつて、映画館でのバリアフリー上映は、付与する作品が少ないことに加え、対応している日時も限定されていたが、現在は今年2月公開の『牛首村』(清水崇監督)、『嘘喰い』(中田秀夫監督)、『大怪獣のあとしまつ』(三木聡監督)、『鹿の王 ユナと約束の旅』(安藤雅司監督、宮地昌幸監督)なども、日時や時間を限定せず、いつでもバリアフリー字幕を楽しめる環境が整っている。
 

icon_fix_jimakumegane
※「字幕メガネ(ロゴ)」は、エヴィクサーの登録済みまたは登録申請中の商標です。
 

これを可能にしたのが、映画の字幕や音声ガイドが楽しめる無料アプリ「HELLO! MOVIE」だ。スマートフォンや字幕メガネにダウンロードし、映画館で起ち上げれば映画の音声に同期し、字幕を見ることができる。音声同期システムを開発したのは、JVTAとバリアフリー講座を共催するNPO メディア・アクセス・サポートセンター(MASC)の川野浩二氏だ。川野氏によると、字幕メガネの貸し出しが映画館で本格的にスタートしたのは、2018年5月。その後、東京国際映画祭でのバリアフリー字幕体験などを経て、現在は全国の85の映画館で貸し出しが行われているという。利用者からは映画館でいつでも最新作を楽しめると好評だ。MASCには、実際に利用した方の具体的な感想が数多く寄せられている。
 

「HELLO! MOVIE」

 

「字幕メガネ、大変ありがとうございました。何度か利用し、映画を久しぶりに映画館で楽しみました。今まで邦画は字幕つきDVDを自宅で楽しむか、数少ない日本語字幕つき上映のスケジュールに合わせて見に行くか、でした。このような機器が一般的に使えるようになれば、僕のような聴覚障害者ももっと映画館で映画を楽しめるなあ、ととても嬉しくなりました。」(2020年9月28日 利用者の声)

 

barrierfree-jimaku  barrierfree-onsei-guide
 

社会現象ともいえる大ヒットとなった『鬼滅の刃』も劇場公開時からバリアフリー化に対応し、大きな反響があった。
 

「おかげさまで話題作『鬼滅の刃』を字幕メガネで無事鑑賞でき、感無量でした。洋画と同じように、みんなと一緒に見ながら、同じシーンで泣けることがとても嬉しかったです。
字幕制作には大変なご苦労があることと思います。本当にありがとうございます。個人的には、邦画の日本語字幕つき上映は劇場や時間も限られますし、足を運んでも障害者のための上映と感じさせられ、自分が障害者なんだってことを自覚させられる感覚もあり少し苦手でした。お気に入りの映画館で、一般客に混ざって同じ映画を見て臨場感を共有できることは本当に嬉しいです。ぜひ、多くの聴覚障害のある方に字幕メガネを使っていただけるよう劇場貸出サービスやレンタルなども普及していくことを期待しております。」(2020年11月3日の利用者の声)

 

バリアフリー字幕は、「聞こえない、聞こえにくい」人のためだけのツールではない。聞きなれない専門用語などを字面で見ることで、聞こえる人からも作品をより深く理解できたと喜ばれているという。
 

「話題の『鬼滅の刃』を字幕メガネで鑑賞。コミックなど全く読んでいない初心者にとって、ノボリエンテン、バクレツモウシン、セイセイルテンなどの言葉は聞いただけでは全くイメージできないでしょう。昇り炎天、爆裂猛進、生々流転など漢字だらけの剣術は、字幕があったほうが分かりやすい。字幕は聴覚障害者のものと思われていますが聞こえる人にとっても便利!ということにそろそろ気付いてもよい時代では。スクリーンに字幕を表示する上映も、もっと増やしてほしいな! 字幕があるおかげで、邦画の話題も共有できる! これが嬉しい!」(2020年11月10日の利用者の声)

 

icon_hellomovie

また、家族全員が映画館で一緒に楽しめるのがいいという声も多い。聞こえにくい人も聞こえる人も共に利用者のニーズに合わせて個人単位で利用できるのもこのツールの魅力だ。
 

「今日、全聾の娘のために、初めて字幕メガネを貸していただきました。人気のアニメ映画が、テレビやNetflixと同じように字幕付きで見ることができて、とてもとても喜んでいました。耳が聞こえない人にとって、字幕は命綱のようなものです。このようなサービスに心から感謝しております。子どもには少し重くて、締め付けも痛かったようですが、今後少しずつ改善していただければ幸いです。また利用させてください。ありがとうございました。」(2020年11月23日の利用者の声)

 

「家族3人で初めて揃って映画が観れました! 今までは妻は字幕、娘は吹き替えと同じ映画でも別々に観ていましたが、『字幕メガネ』のおかげで初めて一緒に映画が観れました! 娘は『ママと映画観れる〜!』と大喜び! 全国の映画館に拡がって欲しいです! 僕と娘は2度目、奥さん初鬼滅の刃に感動でした!」(2020年11月15日の利用者の声)

 

映画みにいこ
 

MASCではバリアフリー映画上映情報のサイト「映画みにいこ!」(https://www.bfeiga.net/)で、最新情報を発信している。すべての人がより深く映像を楽しめる便利なツールとして、私たちも積極的に利用していきたい。
 

◆バリアフリー字幕のライターを目指すなら
MASC×JVTA バリアフリー講座
字幕ライター養成講座 音声ガイドディスクライバー養成講座
次期は字幕講座4月9日(土)開講です。
https://www.jvta.net/tyo/barrierfree/
 

◆無料説明会のお申込みはこちら
 

◆【バリアフリー】JVTAではさまざまな取り組みや修了生の活躍の場を取材しています
https://www.jvta.net/tyo/barrierfree-article/