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ポール・マッカートニー
MC翻訳の舞台裏

ポール・マッカートニー<br>MC翻訳の舞台裏

11年ぶりの来日公演となった、ポール・マッカートニーの「アウト・ゼアー ジャパン・ツアー」。このメールマガジンでもお知らせしたとおり、JVTAではパンフレットとポールのMCの翻訳で協力しました。
 

MC翻訳は、修了生で総合コース・IIの講師でもある、野村佳子さんが担当。これまでにも野村さんは海外アーティストや俳優の通訳やインタビューを経験していましたが、今回は会場から離れた場所でステージのMCを聞きながら、その場で要約するという特殊なスタイルでの作業。クライアントから、「ポールのMCの後、なるべく間を置かずに表示したい」というリクエストがあったため、野村さんは事前にこのツアーでのポールのMCをチェックするなど、さまざまな資料を作って仕事に臨みました。
 

ライブでは曲の合間だけでなく、曲中でも「Everybody sing ~」のように観客に呼びかけることがあります。今回はこうしたコメントも翻訳。「僕に続いて!」「みんな歌って!」のように訳し、ポールと一緒に会場を盛り上げる役割を果たしました。
 

Twitterなどで会場を訪れた人の反応を見ると、「字幕のおかげでポールが話していることがすべて分かってよかった」「同時通訳字幕ってすごい!」といったコメントが並んでいました。中には、自動翻訳だと思っていた方もいたようですが、事前にしっかり準備をしていたことがこうした評価につながったのでしょう。
 

JVTAのメディア・トランスレーション・センター(MTC)では、映像翻訳だけでなく、映像翻訳者のスキルが生かせるさまざまな仕事を受注しています。受講生・修了生の皆さんには、スキルアップはもちろん、得意分野やこれまで極めた趣味などの自己アピールを積極的に行ってください!
 

最後に、野村さんのこの仕事をした感想をご紹介します。
「日本のファンとの一体感を大切にしたいというポールの希望を実現させるために、訳の正確さはもちろんなのですが、とにかくスピードやタイミングに気を使いました。
基本は同時通訳でありながら、それがそのまま文字で表示されるので、字幕翻訳の経験も大いに活かされたと思います。
会場にいた友人の『ポールが身近に感じられた』という感想を聞いた時は、11年間待ち続けたファンの皆さんのお役に立ててよかったな、あのとてつもない緊張も無駄にならなかったなと、胸をなで下ろしました。」