【自宅と東京校を生中継!】開校当時からの人気講座❝これセミ❞を初のオンライン開催
東京に季節外れの雪が降った3月29日、「映像翻訳者としてのこれからを考えるセミナー」を初めて、全面オンライン参加の形式で開催しました。
プロとして活躍する修了生をパネラーに迎えるこのセミナーは、受講中の様子や現在の仕事について先輩のリアルな声が聞けると人気の講座。JVTAの開校当時から受講生・修了生限定で毎期行ってきました。今回、東京校にいたのは進行役のスタッフのみ。パネラー3名も、約30名の参加者も自宅からの参加となりましたが、これまでと変わらない臨場感を持ってお届けすることができました。
今回のパネラーは、下記の3名の皆さん
◆岩辺いずみさん(映像翻訳者歴18年) ライターを経て現在は、劇場公開映画などの字幕翻訳を中心に活躍。英語のほか、フランス語にも対応。
◆杉浦理華子さん(同11年) 教員を退職して出産後、映像翻訳者としてデビュー。ドキュメンタリーのボイスオーバーを主に担当。JVTAの英日映像翻訳コースで講師も務める。
◆本間絵里香さん(同7年) 外資系分析会社で産業翻訳に従事しながら、5年にわたり兼業で映像翻訳を手がけたのち、フリーランスに。動画配信作品の吹き替え翻訳をメインに手がける。
字幕、吹き替え、ボイスオーバーとそれぞれに活躍する皆さんに、受講中の様子やデビューのきっかけ、1日のタイムスケジュールなど、具体的なお話を聞きました。印象的だったエピソードをいくつかご紹介します。
★ペースが掴めてくるのはプロデビュー3年後
皆さんの1日のタイムスケジュールを表にして比較。“翻訳者は夜中に仕事”と思われがちですが、皆さん遅くとも1時くらいには就寝し、朝も早めに起きているそうです。子育て中はお子さんと一緒に就寝し、早朝に作業すると効率が上がったという声も。また、原稿を作ったあと見直しを重ねて余裕を持って納品できるという自分のペースが分かってきたのは、だいたいプロデビュー3年後くらい。依頼された仕事を極力断ることなく経験を重ね、クライアントとの信頼関係ができてきたのもこの頃だったとか。報酬や納期の交渉などもできるようになったといいます。
★モチベーションは同業者との交流
翻訳者は自宅作業が基本。家族以外と話すことが少なくなりがちです。そんな中、皆さんが大事にしているのは翻訳者同士の交流。JVTAの教室に集まって行う自主勉強会や、JVTA主催の新年会などに積極的に参加し、学びを深めているそうです。また、吹き替え翻訳の案件では、スタジオ収録になるべく立ち会うようにし、声優さんの仕事や演出家が読みにくいセリフを現場で書き直したりする様子を見たりすることで、よりよい原稿づくりを学べるという意見も。講師の仕事をすることで自宅作業とのバランスが取れるという声もありました。
★ベテランも謙虚に学び続けている
プロデビュー後、豊富な経験を重ねてきたパネラーの皆さんも、時にはクライアントから厳しいフィードバックを受けることもあるといいます。そんな時は、謙虚にそれを受け止めて次に生かすようにしているそう。納期がタイトなうえに翻訳する映像が予定を過ぎても届かない、などの状況にも柔軟に対応したり、苦手なジャンルや新しいテーマにも積極的に取り組むなど、ベテランの皆さんも努力を重ねていることが分かりました。最後の質問タイムには、オンライン経由で多くの質問が寄せられ、出産後に仕事を始めるタイミングや、日頃のスキルアップ法などについての質問に答えていただきました。
新型コロナウイルス拡大防止のため、さまざまなイベントが中止されるなか、JVTAは今後もオンライン配信でさまざまな企画を計画中です。次回は皆さんもぜひ、ご参加ください!