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ロジカルリーディング力を鍛える⑬ 脳がプラスチックとは!?

ロジカルリーディング力を鍛える⑬ 脳がプラスチックとは!?

ロジカルリーディング力 強化コースは“プロの映像翻訳者が持つ思考プロセス”を伝授し、
映像翻訳に必須の「英文解釈力」を着実にレベルアップさせることを目的としています。
 

英文読解を高度な知的活動と捉え、英文を「何となく読める」レベルから脱却し、確実な根拠に基づいて理解した内容を自分の言葉で説明できるようになるまで考え抜くトレーニングを行います。英字紙の社説やドキュメンタリー番組のスクリプトなど、深い内容の素材を訳しながら、英文を貫く論理の見出し方、筋の通った訳文の作り方を学びます。具体的にどんな講座なのか、山根克之講師が解説します。
 
<文脈で定義は決まる>
新型コロナウイルスに感染すると脳の大きさが縮小するなどの影響が出ることが研究で明らかになったという記事がBBCのサイトに出ていました。ちょっと恐ろしい研究結果ですが、一方で次のような見解も書かれていました。
 

We need to bear in mind that the brain is really plastic – by that we mean it can heal itself – so there is a really good chance that, over time, the harmful effects of infection will ease.
 

「the brain is really plastic」とはどういうことでしょう?「脳は実際にはプラスチック」なんて考えてしまったら最後。恐ろしさが倍増するだけです。plasticの意味は原文の中にちゃんと書かれています。直後に「by that we mean it can heal itself」(plasticとはつまり自分で回復する力があるということ)とありますよね。この説明を頭に入れて英和辞典を引くと「可塑性の」「適応性がある」という定義が目に入ってくるでしょう。ここから「脳に可塑性がある」とはどういうことなのかと興味を持ってさらに調べると、例えば『ブリタニカ国際大百科事典』には次のような説明が出てきます。
 

「脳を構成する神経とそのネットワークは固定したものではなく、脳には自分とその周辺の状況に応じて変化する能力があること」
「たとえば、脳の神経が損傷を受けた場合でも、栄養補給、形態修復などでその機能が回復することがある」
 

これで原文の「it can heal itself」とイメージが重なりますね。「脳には可塑性があるから、感染によってダメージを負ったとしても、やがて回復する可能性は大いにある」と書かれていたわけです。
 

身近な単語でもよく知られた訳とは違う意味合いがある場合や、難しい言葉、耳慣れない表現が出てきた時は、その意味が原文の中で説明されていることもあります。ロジカルリーディング力強化コースでは、そうしたヒントを見逃さずに英文を読んでいく力を養います。
(Text by English Clock 主任講師 山根克之)
 

◆ロジカルリーディング力を鍛える アーカイブはこちら
https://www.jvta.net/tyo/logical-reading-archive/

 
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「English Clock ロジカルリーディング力 強化コース」

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