【JVTAが英語字幕】多重婚を描いた短編映画『♡≠2』が韓国の映画祭で脚本賞を受賞
日本の学生が制作を手がけた短編映画『♡≠2』(Love not equal Two)が韓国のIncheon International Short Film Festivalで、BEST SCREENPLAYを受賞した。この作品は上條 凜斗監督が日本工学院専門学校 放送芸術科の卒業制作として発表したもので、多重婚がテーマとなっている。
英語字幕を担当したのは、JVTAで学んだ日英映像翻訳者の三宅マーディさんだ。三宅さんは、これまで映画、ショートフィルム、ドキュメンタリー、脚本、漫画、企業PRの日英翻訳に加え、字幕のチェック、英語の聞き起こしなど幅広いジャンルで活躍している。
『♡≠2』では多重婚をしている主人公の太郎の日常が描かれ、字幕は主に職場の同僚や家族との会話だ。一方、冒頭には少し堅い表現で多重婚が認められた社会についての解説もあり、英語でもトーンの使い分けが求められる。
「斬新なテーマの中で描かれている人間関係が面白いと思います。日常会話の台詞が多かったのでそれに合わせてカジュアルかつ自然な言い回しを使うように心がけました。『そうですね』『そう?」』『どうしたんですか』『大丈夫』など短い台詞が映画の中に繰り返されましたが、自然な流れの中でできるだけいろいろなフレーズを考えて表すようにしました。」(三宅マーディさん)
日英の翻訳において、実は日常の何気ない会話の訳出が意外と難しい。主語がなくても成り立つ日本語は短く断片的だが、英語にすると長くなりがちであると同時に、前後の流れによっては同じ言葉でも話者の意図が変わることもある。例えば「おいしい」という言葉も“delicious”“tasty””good“ “yum”などを使い分け、「ごちそうさま」も“Thanks for dinner”や“I’m full”など人物の表情やお皿の料理の状態を考慮して表現を変えるなどの工夫もされている。また、「ほ、ほんとうに」というセリフでは“R…really? ”と同じニュアンスを盛り込み、自分に言い聞かせるように「大丈夫」「大丈夫だよ」と繰り返す場面では“It’s okay” “It’ll be okay”といった微妙な表現で訳し分けた。
日英映像翻訳ではこうした日常会話を訳す際、映像のトーンと合っていなかったり、堅すぎる印象だったりすると、ネイティブには違和感がある。いかに自然な流れで字幕を意識させずに作品全体を楽しめるかが鍵となる。それだけに今回、言葉に贈られた国際映画祭での脚本賞受賞は翻訳者にとっても嬉しいニュースとなった。
「この作品がIncheon International Short Film Festivalにて脚本賞を受賞したことを聞いてとても嬉しかったです。こんな素敵な作品に関われたことをとても光栄に思っています。脚本を手がけた上条凛斗監督のこれからのご活躍を応援しています。」(三宅マーディさん)
上條 凜斗監督、関係者の皆さん、おめでとうございます。
今後、また英語字幕付きで他の映画祭での上映をぜひ期待しています。
※この作品は日本工学院の公式サイトで見ることができる。(英語字幕はなし)
https://www.neec.ac.jp/exhibition/2024/creators/kamata_screen/work002.html
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