【ロジカルリーディング力 強化コース修了生インタビュー】「訳文の根拠を言葉にして説明することで自信を持てるようになりました」
英日の映像翻訳とバリアフリー字幕講座の修了生、小井戸亜由美さんは、2022年にトライアルに合格、OJTを終えて映像翻訳者としてプロデビュー。小井戸さんは、実践コース修了後になかなかトライアルに合格できずに悩んでいた時に受講したロジカルリーディング強化コースで、翻訳力のレベルアップを実感できたという。小井戸さんがこのコースで何を学び、何が変わったのか。お話を聞いた。
◆ロジカルリーディングを受講しようと思った理由、きっかけを教えてください。
受講のきっかけはJVTA のYouTube 番組「JVTA+」のアーカイブ動画「1人でもできる翻訳の勉強法を考えてみる」です。実践コース終了後、なかなかトライアルに合格できずに悩んでいた時期にこの動画を見て、プレゼンターの先生方がおすすめするロジカルリーディング講座に興味を持ちました。調べてみるとちょうど開講の時期が近かったので、すぐに受講を決めました。思い切って決断してよかったです。
※JVTA のYouTube 番組「JVTA+」(2020年7月30日配信)
「1人でもできる翻訳の勉強法を考えてみる」
◆受講していた当時を振り返って特に印象に残っていることはありますか?
特に印象に残っているのは「話者の思考の流れ」についての講義です。講義の課題は政治家のインタビューの翻訳でした。その人の発言に2通りの解釈ができるものがあり、どちらで訳出すべきか悩んだのを覚えています。その時に山根講師に頂いたアドバイスが「基本的に『話者の意見は揺るがない』という意識を持つこと」でした。インタビューなどでは、話者がその場で考えながら話すため、内容に意図しない矛盾が生じてしまうこともあります。しかし思考の流れを意識すれば、表面的な言葉に振り回されず、話者のメッセージを的確に捉えることができるというお話でした。このアドバイスを心に刻み、解釈に迷ったときには「この人が伝えたいことは何だろう?」と考えるようにしています。
◆クラスの雰囲気はいかがでしたか?
全員が学ぶ意欲にあふれていて、とてもいい雰囲気でした。どんな些細な質問にも真摯に答えてくださる山根講師のおかげで、クラス全員が積極的に意見や疑問を口にすることができていたと感じます。受講生同士でも、講義の後に課題について話し合ったり、勉強についての情報交換をしたりなど、映像翻訳者を目指す仲間としていい関係を築くことができました。当時のクラスメートたちとは今でも連絡を取り合っています。
◆受講前と比べて何が変わりましたか?
根拠を持って訳す習慣がついたおかげで、自分の訳文に自信を持てるようになりました。山根講師のフィードバックは必ずと言ってもいいほど「どうしてこう訳したのですか?」という質問から始まります。初めのうちはどうしていいか分からず、訳文を先に考え、後付けの理由を述べていました。しかし何度も繰り返すうちに、理由を持って翻訳することができるようになり、それまでの「なんとなく」や「原文にこう書いてあるから」という状態から抜け出すことができました。すると自分の訳文に自信を持てることも増えていき、翻訳がますます楽しく感じるようになりました。
◆映像翻訳の仕事を始めてから、ロジカルリーディングの講座の内容が生かされていることがあれば、教えてください。
特に役立っているのは、段落のテーマや思考の流れを捉える術を学んだことです。原文や辞書、調べた情報だけを見るのではなく「今は何の話をしているのだろう?」「この人が伝えたいことは何だろう?」と俯瞰して考えることで、思いがけない訳文が浮かんでくることもあります。また言語化して説明するトレーニングを積んだことが、自分の訳文を客観的に判断する手助けになっています。例えば、解釈や翻訳に悩んだ時は、山根講師に「どうしてこう訳したのですか?」と尋ねられたつもりになって自分自身に説明します。言葉にして説明することで訳文に自信を持つことができて、どこをどのように直すべきなのかが見えてくることもあります。
◆「English Clock ロジカルリーディング力 強化コース」(全8回)
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