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【ロジカルリーディング力 強化コース修了生インタビュー】「情報の取捨選択のスキルが上達しました」

【ロジカルリーディング力 強化コース修了生インタビュー】「情報の取捨選択のスキルが上達しました」

修了生の藤丸千幸さんは、2022年4月期に英日映像翻訳の実践コースを受講後、2023年7月のトライアルに合格。OJTを経てまもなくプロデビューする。産業翻訳の経験者でもあった藤丸さんが新たなジャンルの映像翻訳に挑戦し、戸惑った時に合格へと導いたのは、ロジカルリーディング強化コースだったという。この講座で何を学び、何が変わったのか、お話をきいた。

 
◆ロジカルリーディングを受講しようと思った理由、きっかけを教えてください。
JVTAの映像翻訳のコースのまさに第1回目(正確には2講目なのですが、日曜クラスだったので、映像翻訳の勉強を開始した1日目になります!)にこのコースの山根講師の講義を受講しました。産業翻訳の経験もあったので、翻訳にはある程度自信があったのですが、山根講師の講義を受けた後、その自信が打ち砕かれました。産業翻訳では、一語一句もらさず正確に訳すことを心がけていました。なので、「英語を正確に日本語にする」という作業は得意だったんです。でも映像翻訳の場合、字義どおりに訳すことにこだわりすぎると、逆に辻褄が合わなくなってしまうことがあります。ですから、映像の構成を正確に理解することが大切です。山根先生の課題も正確に日本語に訳出した自信はあったのですが、ことごとくチェックが入っており、添削の内容がすべてもっともすぎて『私は今まで、なぜ翻訳できていたんだろう…。』と、翻訳者としての根底を覆されました。

 
その日から私のイマジナリ-・ティーチャー(脳内講師)が山根先生となり、何とかまた山根先生の講義が受けられないかとHPなどで検索したところ、ロジカルリーディング力強化コースにたどり着きました。でも、その時はすでにその期の「ロジカルリーディング」が始まったばかりだったので、それから半年待って、ようやく受講することができました。

 
◆授業中に指摘されたことで印象に残ったことはどんな点でしたか
講義中、山根先生が「表現がパヤパヤしている」という発言をしたときに、受講生がみんな「パヤパヤしてる」を使い始めたのが、とても面白かったです。パヤパヤというのは、表現が曖昧とか、実体がないというニュアンスで、山根先生から、「訳文や解釈が地に足が着いていない、表現を飾ってごまかそうとしている」などの指摘があり、クラス全員でその訳文について議論になりました。クラスメートからは「ここは絶対に訳出しないといけないのですが、そうなるとこっちがパヤパヤしますよね…。」などの声があがります。山根先生もさらに訳出のチェックを行い、丁寧に解説をしてくださったのですが、しばし考えたクラスメートが「でも、どうしてもパヤパヤしてしまうんですよね…。」と悩んでいたのが印象的でした。授業では常に「なぜこの訳にたどりついたのか」という根拠を言えることが求められます。段落ごとのテーマや前後の引き継ぎと展開、背景の理解などさまざまな学習を通して、これまで自分の訳がいかに曖昧で“パヤパヤ”していたのかを実感しました。

 
◆クラスの雰囲気はいかがでしたか?
とても良かったです。
クラスの皆で、講義が始まる15分前にはZoomに入室するように決めて、情報交換をしたり雑談を楽しんだりしていたので、年代もバックグラウンドも様々なメンバーでしたが、比較的に仲良くなれて和やかな雰囲気でした。講義の最終回では、講義終了後、山根先生を交えてクラスメートと談話する機会があったのですが、とても名残惜しくて、私は思わず涙したほどです!

 
◆受講前と比べて何が変わりましたか?
情報を落とすことなくすべての内容をきちんと訳す産業翻訳に比べ、字数に制限がある中で出せる情報が限られている映像翻訳の世界は、はじめは漠然としていて捉えどころがなかったのですが、ロジカルリーディングを修了したら、ようやくその輪郭がほんのり見えてきました。受講後、情報の取捨選択が上達したように思います。巧妙に構成された映像の流れを正確に解釈し、落として良い情報と落としてはいけない情報、原文を重視するべき字幕と、視聴者に伝わりやすいように意訳するべき字幕の判断が、少しずつ理解できるようになりました。

 
OJTを終え、これからプロの映像翻訳者としてデビューする藤丸さんは、今世界で話題の実写版『ONE PIECE』の字幕の完成度に衝撃を受けたと話す。そのセリフの字義だけでなく、作品全体を俯瞰して解釈し編み出された字幕は、大ファンである藤丸さんの心に響いたという。ロジカルリーディングで身につけた根拠のある翻訳力を駆使し、「いつかはセリフを暗記するほど大好きな日本のアニメの実写版の字幕を手がけたい」という夢をぜひ叶えてほしい。

 
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