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国内外の映画祭で上映『おみおくり~Sending Off~』 心の声に従った映画監督と医師のライフワーク

国内外の映画祭で上映『おみおくり~Sending Off~』 心の声に従った映画監督と医師のライフワーク

JVTAの特別公開セミナーや「GCAI 国際コミュニケーションアーツ学院(JVTA運営)」の動画制作講座に登壇したイアン・トーマス・アッシュ監督。彼の『おみおくり ~Sending Off~』は、老いや病気で「家で亡くなること」を選んだ人々と、その家族に長期密着するドキュメンタリー映画です。福島県・猪苗代町で在宅医療に取り組む今田(こんた)かおる医師の視点で、“おくられる人”“おくる人”の思いを丁寧に切り取ります。
 

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本作は2019年5月にドイツで開催された日本映画祭「Nippon Connection」で上映され、最も評価の高いドキュメンタリー作品におくられる「ニッポン・ドックス(NIPPON DOCS)部門」観客賞を受賞。その後、2019年9月7日開催の「第41回ぴあフィルムフェスティバル」の招待作品部門での上映が決定しました。
 

国内外の映画祭で静かな反響を呼んでいる理由はどこにあるのか?
 

「Nippon Connection」での本作のQ&Aセッションに参加していたJVTAが見たのは、心の声に従ってライフワークに取り組むことで人々を引きつける、映画監督と医師の姿でした。会場で語られた二人の言葉を振り返ります。
 

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イアン監督(中央左)と今田医師(中央右)
 

きっかけは今田先生との出会いだった――イアン・トーマス・アッシュ(監督)
私の作品は、主に医療と健康をテーマにしています。原発事故以降の福島に住む家族や子どもたちの生活に焦点を当てた作品や、乳がんで亡くなった私の友人を映した映画とともに、これまで「ニッポン・コネクション」の舞台に立ってきました。
 

今田先生と出会ったのは、私が本作とは別の映画の撮影で福島に滞在していた時のことでした。先生の在宅医療への情熱を知った私は、患者の皆さんの家をまわる“旅”に同行し、そのすばらしい活動を目の当たりにして「映画にしたい」と申し出たのです。
 

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ドキュメンタリー作家にとって一番大切なのは、(映す人の)信頼を得ることです。映像に収めるためには彼らの人生に分け入る必要がありますし、さらにそのストーリーを誰かに伝えることは、難しいことです。
 

『おみおくり ~Sending Off~』を作ることができたのは、今田先生が患者の皆さんから信頼されていたからこそです。先生は、患者の皆さんにアプローチしてくれました。私たちは、どの患者の方に出演してもらうか相談し、皆さんと信頼関係を作っていきました。彼らの家にいた時間は、すばらしい時間でした。
 

できるかぎり、“おみおくり”をしていきたい――今田かおる(医師)
私は今まで、500人の方を見送りました。一人ひとりが皆、私の先生でした。本当につらい時でも、皆笑顔を見せてくれるんです。だから私も、色々な方法を考えて、暗い顔をせず、いつも笑顔でやっています。人は亡くなるまで、自分が死ぬというのは思っていないんです。亡くなる最後まで楽しませてあげなくちゃ、と思っています。
 

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在宅医療はチームで動いています。看護師さん3、4人と、身の回りをお手伝いしてくれるヘルパーさんも来ます。それと、大変な時は自宅ではなくお泊りに行ける「ショートステイ」というシステムもあります。色々なチームができているので、たとえその方が一人ぼっちでも、最後まで見てあげることができます。
 

私はできるかぎり、猪苗代にいる人たちを“おみおくり”していきたいと思います。
 

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『おみおくり ~Sending Off~』が世界中の人の胸を打つのは、自分の“心の声”に従って行動する二人の想いが背景にあるからなのかもしれません。
 

2019年9月7日14時30分から日本初上映『おみおくり~Sending Off~』
CherryBlossooms_ おみおくり〜Sending Off〜
(c) Ian Thomas Ash
●老いや病気で「家で亡くなること」を選んだ人々とその家族に長期密着する。福島県・猪苗代町で在宅医療に取り組む今田(こんた)かおる医師の視点で、“おくられる人”“おくる人”の思いを丁寧に切り取る。
 

上映スケジュール:https://pff.jp/41st/lineup/sugoi.html
(第41回ぴあフィルムフェスティバル「招待作品部門~カッコいい女編~」内)
 

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「ニッポン・ドックス(NIPPON DOCS)部門」観客賞受賞の様子はコチラ
 

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