白石和彌監督、中野量太監督を輩出した映画祭! JVTAが今後注目のクリエイターの作品を英語字幕でサポート!
若手映像クリエイターの登竜門として知られる国際コンペティション、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭が7月13日(金)に開幕します。今年で15回目を迎えるこの映画祭ではこれまで、白石和彌監督(『孤狼の血』『彼女がその名を知らない鳥たち』)や中野量太監督(『湯を沸かすほどの熱い愛』『チチを撮りに』)など、後に日本アカデミー賞を受賞するクリエーターを輩出。JVTAは毎年、この映画祭の日本のコンペティション作品の英語字幕を担当し、今後の活躍が期待されるクリエーターのサポートをしています。
JVTAの視点で選んだ、“SKIPシティ”の3つのおすすめポイントを紹介しましょう。
JVTAのおすすめ①
◆今年は3本の長編、4本の短編の英語字幕を修了生が担当
世界に羽ばたくクリエーターをサポ―ト!
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭には、国内外から多くのクリエーターの作品が寄せられ、国際コンペティションと国内コンペティション(長編部門、短編部門)が行われます。今年は、過去最多となる98の国と地域から、合計832本の応募がありました。上映作品のうち、3本の長編、4本の短編の英語字幕をJVTAの修了生が手がけています。英語字幕はその審査結果を左右するだけでなく、今後その作品が世界へ羽ばたくための重要なツールです。JVTAが多言語の作品の翻訳をする時も一般的には英語字幕を基に日本語字幕を作ることが多く、英語字幕はさまざまな言葉に訳されるベースになる役割を担っているのです。
◆今年、JVTAの修了生が英語字幕を手がけた作品
『あの群青の向こうへ』
『情操家族』
『口と拳』
『あいつは、いつも寝てる。』
またJVTAでは、上映作品の一部に素材に「字幕PROゼミ」を開催。ゼミ形式で修了生が字幕を作成、翻訳ディレクターからのフィードバックを経て字幕を完成させています。今年は2つのPROゼミチームが稼働し、短編2本を手がけました。
『ふっかつのじゅもん』
『はりこみ』
今年のPROゼミ(担当作品『はりこみ』)の様子はこちら
https://www.jvta.net/tyo/skip-city2018-pro-seminar/
実は、現在劇場公開中の『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督の過去の短編『テイク8』も2016年に“SKIPシティ”で上映された作品。英語字幕を修了生が担当しました。こうしたクリエーターの作品に翻訳者として、いち早く関われるチャンスがあるのもこの映画祭の魅力です。上映会場で翻訳者が監督とお話したり、観客の皆さんと一緒に鑑賞したりできるのも映画祭ならではの醍醐味。翻訳者の皆さんには貴重な体験となるはずです。
『カメラを止めるな!』公式サイト
http://kametome.net/index.html
2016年に会場で上田慎一郎監督にいただいたメッセージはこちら
https://www.jvta.net/tyo/2016skipcity-op/
JVTAのおすすめ②
◆いま、埼玉発の映画が熱い!
埼玉出身の映画監督の話題作を一挙上映
埼玉県が映像産業の振興に注力していることをご存じですか? SKIPシティ国際Dシネマ映画祭は、2004年に埼玉県川口市で誕生。上映会場である「SKIPシティ 映像ホール」には、4Kデジタルシネマプロジェクターシステム、ドルビーサラウンドシステムが搭載され、迫力ある映像を楽しむことができるほか、映像ミュージアムなども併設されています。ちなみに、今年のオープニング上映作品『君がまた走り出すとき』は、地元川口市が製作し、市内各所で撮影、市民も多数参加しています(英語字幕はJVTAの修了生が担当)。
オープニング上映『君がまた走り出すとき』
©2018 川口市
15週年の今年は、そんな埼玉出身の監督4人の傑作を特集上映。ここ数年、注目を集めた作品ばかりです。どうぞお見逃しなく。
・石井裕也監督『夜空はいつでも最高密度の青色だ』
© 2017「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」製作委員会
・入江悠監督『22年目の告白―私が殺人犯です―』
© 2017 映画「22年目の告白-私が殺人犯です-」製作委員会
・沖田修一監督『横道世之介』
© 2013「横道世之介」製作委員会
15周年特別企画「飛翔する監督たち from SAITAMA」
http://www.skipcity-dcf.jp/films.html#kk
JVTAのおすすめ③
◆毎年恒例のバリアフリー上映
スマホで気軽に体験してみよう
©2017映画「8年越しの花嫁」製作委員会
昨今、さまざまな視聴者が映像を楽しむためのバリアフリー上映への関心が高まるなか、“SKIPシティ”では、バリアフリー上映も恒例となっています。バリアフリー上映とは、視覚障害者のために画面に映っている情景や人物の動き、表情などを伝える「音声ガイド」や、聴覚障害者のためにセリフに加え、話者名や音情報なども字幕にする「日本語字幕(バリアフリー字幕)」を付けて映画を上映すること。少し前までは限定された映画館で決まった日時にしか楽しめませんでしたが、UDCastというアプリケーションの開発により、さまざまな場所や日時で鑑賞することが可能になりました。お手持ちのスマートフォンにUDCastをダウンロードすれば、対応作品は全ての上映回で音声ガイドや日本語字幕を利用できるのです。
音声ガイドやバリアフリー字幕は、映像翻訳を学ぶ皆さんにも楽しめるツール。視聴者を意識した言葉選びや物語の展開を見失わない伏線づくりなどを意識して作られることは映像翻訳と同じです。日本語表現力や作品解釈などを考えながら観ると学びも多いはずです。
今回の上映作品は『8年越しの花嫁 奇跡の実話』。佐藤健さん、土屋太鳳さん主演の感動作をぜひ、バリアフリー上映でお楽しみください。
詳細はこちら
http://www.skipcity-dcf.jp/films/barrier_free.html
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭は7月13日(金)にスタート。劇場で英語字幕を見ることができる貴重な機会でもあります。ぜひ、お出かけください!
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭 公式サイト
http://www.skipcity-dcf.jp/