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ゲイアートを代表する画家の生涯『トム・オブ・フィンランド』が8月2日(金)に劇場公開

ゲイアートを代表する画家の生涯『トム・オブ・フィンランド』が8月2日(金)に劇場公開

ゲイアートを代表する画家の数奇な生涯を描いた映画『トム・オブ・フィンランド』が8月2日(金)から劇場公開されます。この作品は2018年のトーキョーノーザンライツフェスティバルで上映され、JVTAが字幕を担当、修了生の今井祥子さんが手がけました。

 
第2次世界大戦当時、フィンランドでは同性愛が禁じられていました。そんな中、帰還兵のトウコ・ラークソネンが密かに描き続けたのは、レザーの上下に身を包み、ワイルドな髭を蓄えた筋骨隆々の男性たち。1957年、彼の作品がアメリカの人気フィットネス雑誌の表紙を飾り、画家「トム・オブ・フィランド」が誕生します。2014年には、彼の絵がフィンランドの切手に採用されるなど、今や国民的なアーティストになった彼の人生の光と影がこの作品には描かれています。監督は、デビュー以来7本すべての長編がフィンランド映画界で成功を収めているドメ・カルコスキ。同作は米アカデミー賞フィンランド代表作品に選ばれました。現在は『ロード・オブ・ザ・リング』の原作者J・R・R・トールキンの伝記映画『トールキン 旅のはじまり』の公開を控えるなど、世界でも注目を集めています。

字幕を手がけた修了生の今井祥子さんは、セクシュアル・マイノリティをテーマとする作品を集めた映画祭「レインボー・リール東京 ~東京国際レズビアン&ゲイ映画祭~」の運営に10年以上携わっており、作品の翻訳だけでなく、プログラマーとして上映作品の選定や映画会社との交渉、素材の輸入、字幕制作や完パケ制作などにも関わっています。今井さんはこの映画祭でのご経験から、2017年のベルリン国際映画祭でテディ賞の国際審査員を担当しました。今井さんにお話を聞きました。

 
◆修了生・今井祥子さん(日本語字幕を担当)

今井さん
この作品との出会いは、2017年のエディンバラ国際映画祭でのUKプレミアでした。会場にはトム・オブ・フィンランドのイラストに描かれているようなレザールックの男性の姿も目立ち、彼が生んだ作品が今なお世界中で愛されている様子が伺えました。
『トム・オフ・゙フィンランド』メイン
※『トム・オブ・フィンランド』より(C) Helsinki-filmi Oy, 2017

 
トム・オブ・フィンランドのイラストはフィンランドで記念切手も発行されるほど有名ですが、その生みの親であるトウコ・ラークソネンについては私自身もこの作品で知りました。フィンランドで同性愛が違法とされていた第二次大戦後から、80年代のアメリカのエイズ渦の時代まで、社会の抑圧の中で表現の自由を貫き通したトウコの生きざまに胸を打たれ、この作品をぜひ日本でも紹介したいと思っていたので、字幕を担当できたことは本当に光栄でした。
『トム・オフ・゙フィンランド』サブ1
※『トム・オブ・フィンランド』より (C) Helsinki-filmi Oy, 2017

 
劇場公開にあたって配給会社のマジックアワーさんと字幕を仕上げていく中では、時代背景の説明の少なさや、3つの言語(フィンランド語、英語、ドイツ語)の使い分けを、日本語字幕でどう処理するかということが悩みどころでした。欧米の観客であれば頭に入っている現代史や聞き分けられる言語の違いも、日本で公開するとなると話が別です。国際共同制作の伝記映画ならではの苦労と言えますね。字幕で表現できることには限りがあるので、公式サイトに詳しい説明や年表を掲載するなど、配給側も工夫してくださいました。
『トム・オフ・゙フィンランド』サブ2
※『トム・オブ・フィンランド』より (C) Helsinki-filmi Oy, 2017

 
この作品の中で個人的に大好きなのが、サンタモニカの印刷所のシーンです(トウコが印刷所のオーナーに言い放つセリフが実に痛快)。シリアスな伝記映画ではありますが、クスッと笑えるシーンや思わず胸が熱くなるシーンも多く、見どころが尽きません。セクシュアリティーや年代を問わず、アートを愛するすべての人に訴えかける作品です。

 
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TOF_ポスタービジュアル_R
『トム・オブ・フィンランド』
8月2日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
【大阪】8月 9日(金)よりシネ・リーブル梅田
【兵庫】8月 9日(金)よりシネ・リーブル神戸
【京都】8月24日(金)より京都シネマ
【愛知】 近日 名古屋シネマテーク
【神奈川】近日 シネマ・ジャック&ベティ
(C) Helsinki-filmi Oy, 2017
公式サイト
www.magichour.co.jp/tomoffinland/

 
監督:ドメ・カルコスキ
出演:ペッカ・ストラング、ジェシカ・グラボウスキー、ラウリ・ティルカネン
配給・宣伝:マジックアワー
後援:フィンランド大使館
2017年/フィンランド・スウェーデン・デンマーク・ドイツ/
フィンランド語、英語、ドイツ語/5.1ch/シネマスコープ/
原題:Tom of Finland/116分/ フィンランド語監修:橋本ライヤ/ 日本語字幕:今井祥子

 
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https://www.jvta.net/tyo/open-school/
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