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修了生6人が“アート”な科学図鑑を翻訳

修了生6人が“アート”な科学図鑑を翻訳

3月25日、世界文化社から科学図鑑『不思議で美しいミクロの世界』が発売されました! 収録されているのは、タマネギの皮やネコの舌、発砲スチロール、ヨーグルト、腎臓結石、赤血球などさまざまなものを超高画質の顕微鏡ごしに撮影した神秘的な写真の数々。「植物PLANT」「動物ANIMAL」「極小INFINITESIMAL」「物質MATERIAL」という4つのパートに分れており、まるで現代アートのような不思議な世界が広がっています。この作品のテキスト翻訳をJVTAの修了生6人が手がけました。そこで今回は翻訳者の1人、修了生の岡崎隆太郎さんにこの図鑑の見どころと翻訳時に工夫したことを聞いてみました。

 

岡崎隆太郎さん

岡崎隆太郎さん


 

「作品の見どころは、肉眼では見ることができない、ゆえに普段は全く気にも留めないミクロの世界へのユニークなアプローチです。テキストによる解説は、堅苦しくないユーモアのあるトーンで綴られていますので、そこに秘められた魅力的な事実の数々にじっくりと浸ってもらいですね。各ページごとで一つひとつのテーマが短く端的にまとまっており、図鑑として調べものに使うだけでなく、ちょっとした時間に読み物としても楽しめる1冊だと思います。
 

受粉

受粉

翻訳で苦労したのは、原文にちょくちょく出てくる「クスッと」笑えるような英語表現の訳し方。どのような日本語に翻訳すればその面白さが伝わるのかを常に意識しました。私は植物、動物など全ての章から数ページずつ翻訳パートをいただきました。どの文章も訳す対象は「等身大」でダイナミックに描かれているので、その意図を変えないようにどう表現するかという点にも気を配りました。例えば、カタツムリのページでは、“each partner”を「つがい」などと訳すのではなく、あえて「女房役」と擬人法を用い、文脈の流れを大切にしました。図鑑だけに専門的な内容も多く、調べものにも相当時間をかけましたが、読み直すたびに細かい表現を見直す必要があり、何度もリライトをしたのを覚えています。少しでも読む方に分かりやすく、楽しい気持ちになってもらえる翻訳ができていたらと願っています。

 

腎臓結石

腎臓結石

同書の帯には新国立競技場のデザイナーとして話題の建築家の隈研吾さんとテレビでもお馴染みのサイエンスプロデューサー、米村でんじろうさんからもコメントが寄せられています。自然界に存在する、“鮮やかなオブジェ”の数々をどうぞお楽しみください!
 

表紙帯付き - コピー

『不思議で美しいミクロの世界』 世界文化社
ジュリー・コカール(著)
監修 林良博 国立科学博物館 館長
http://www.sekaibunka.com/book/exec/cs/16201.html