大事なことは「読解力」 英文解釈力と日本語表現力を高めるために
猛暑が続く中での学習に少し疲れ気味の方も多いはず。そこで今回はプロの映像翻訳者に必要な英文解釈力を高めるEnglish Clockの山根講師と、長く活躍できるプロになるための日本語ライティングを身につける日本語表現力強化コースの丸山講師に、「訳文の質を上げるための方法」について話を聞きました。受講生にとっては今後の学習法の参考にはるはずですし、すでにプロとして活躍している修了生にとっても話の中にきっと発見があると思います。
山根 5、6年前までと比べてみると、最近の受講生の英文解釈の力は確実に上がってきていると思います。以前は課題をチェックしていると、「明らかに誤訳しているな」と分かる箇所をよく目にしましたが、最近はその数が減ってきています。
丸山 総合・Ⅰの日本語表現の講義でも同じように感じます。英文解釈だけでなく、日本語表現への意識が高い受講生が増えている気がします。
山根 だからこそ英文解釈の大事なポイントを理解した上で、それを早く自分のものにし、活躍できるプロになって欲しい。
丸山 具体的にはどんなことですか?
山根 翻訳の基本ともいうべき点ですが、原文の「どこが大事なのか?」「どれがキーワードなのか?」をきちんと理解するということです。これがきちんと分かるようになると、原稿の質が明らかにアップする。
丸山 日本語表現力の講義でも全く同じ話をします。こうしたことが分からないと、言葉が“鋭く”ならず、結果、視聴者や観客を感動させるような訳文は生めない。「いい言葉が出てこない」というときには、こうしたことをきちんと理解しないまま原文に臨んでいる場合が多いですね。
山根 誤解されがちですが、私がよくお話しする「原文を100%理解しなくてはいけない」というのは、原文を表面的に理解するということではありません。その言葉の裏側にある主人公や制作者の思い、作品の本質を理解するということです。そのためには自分が手がける作品の大事なポイントを分かっていなくてはいけない。それができて初めて「100%理解できた」と言える。文法や構文が大事なのは、そこにたどり着くための第一歩だからです。
丸山 ただ本質的に理解するというのは、難しいですよね。
山根 私は日本語の「読解力」が欠かせないのではないかと私は思っています。もちろん「読解力を高めろ」と言われても、自分で容易にできることではないですし、教える側にとっても非常に難しい。
丸山 「読み解く」とは、例えば「主人公はこう言って、こう行動しているのだから、こういう気持ちのはず」と考えることです。そこには想像力も必要ですし、何よりも視聴者や観客に納得させるためのロジックが求められます。つまり徹底して「その理由」を考える「訓練」が必要です。
山根 その通りですね。ECの講義でも、なぜこの訳文になったのかを何度も解説します。
丸山 自分がたどり着いたロジックが適切なのか? 不適切なのか? 適切でないならば、どう考えればいいのか? というのは、自分一人ではなかなか判断がつきません。ただ普段から物事を深く、また多面的に考えるようにすることは有効だと思います。それでも上手くいかないというときはぜひ私たちに相談してください(笑)。
◆山根講師が主任を務めるEnglish Clock
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◆丸山講師が主任を務める日本語表現力強化コース
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丸山講師インタビュー「表現者として、1段上のステージを目指す」
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